雇うべき従業員
宿泊施設を経営する場合、規模に応じて従業員を雇わないといけません。
旅館・ホテル・民宿(ペンション)・民泊ごとに必要な従業員は以下の通りです。
旅館の従業員
- 支配人…主に経営者
- 女将…経営者もしくは経営者の妻
- 会長…第一線を退いたオーナーなど
- 大女将…会長と同じでたまに現場に顔を出す程度
- 仲居…客室係
- 料理人…料理担当者、板前など
- 浴場係…入浴施設の管理
- 売店スタッフ…売店のレジ打ちなど
- ドライバー…送迎を担当
ホテルの従業員
- 支配人…ホテルの責任者、ゼネラルマネージャー
- 副支配人…現場のナンバー2、アシスタントマネージャー
- ナイトマネージャー…夜間専門の責任者
- 経理…経理責任者はFC(Financial Controller)と呼ぶことも
- フロント…フロントでの受付業務など
- ドアマン…エントランスのドアに常駐
- ベル…宿泊客を客室まで案内するなど
- 清掃係…清掃、ベッドメイクなど
- インスペクター…宿泊前の部屋の状態を確認する責任者
- コンシェルジュ…宿泊客のあらゆる要望に応える
- 料理人…料理担当者
- ウエイター…レストランなどのホールスタッフで配膳係とも呼ぶ
- 関連施設のスタッフ…結婚式場スタッフ、日帰り入浴受付など
民宿(ペンション)の従業員
主に経営者(夫婦)で運営。従業員を雇う場合はアルバイトやパートを雇って雑務全般の補助
民泊の従業員
基本的に従業員を雇うことはない。そもそも民泊は年間180日の営業制限があるのでフルタイムスタッフを雇うのは難しい。
管理・代行業者を利用して民泊経営するケースもある。
小規模宿泊施設は複数の役職を兼務
旅館やホテルを経営する場合でも、経営者1人で回しているところは多数あります。
客室の数や料理、大浴場など提供するサービスの内容で従業員の必要性が変わってきます。
個人経営の所は、料理、送迎、清掃まで全て経営者が1人で行っているケースもあります。
高級ホテルになると、ドアマン、バーテンダー、ソムリエ、パティシエなど業務を細分化させて各部門のスペシャリストを配備しています。
連休や行楽シーズンのみ宿泊客が増えることが多く、常時満室にならない宿泊施設は派遣会社を利用するところが多く、宿泊施設や宴会場などの人材派遣を行う会社は「配膳会社」とも呼ばれています。
客の求めるサービス内容を見極める
アットホームな宿泊施設であれば、無理に従業員を雇う必要はありません。
ビジネスホテルや単価が高い旅館はクレームも多くなるので、必要に応じて常時現場の判断やクレーム対応ができる社員を配備する必要があります。
民泊という新しい形態が生まれたのはインターネットのマッチングサービスによる影響です。
ホテルや旅館、民宿もネットレビューの評価で集客力が大きく変わる時代なので、宿泊客に満足してもらえるビジネスモデルを考えて、それに見合う人員配置をしましょう。
経営者のみで運営する場合は日常業務を1人や2人(夫婦)で問題なく仕事を回せていても、体調不良や身内の不幸などで業務に支障をきたすリスクがあります。
飲食店程度なら、予告なしにお店を閉めることもできますが、宿泊施設は運営者都合のキャンセルや休業ができません。(災害発生時を除く)
送迎や料理など提供する範囲が大きい場合は、いざという時にヘルプのスタッフを呼べる環境を用意しておく必要性が高いです。